ヤマハ艇 FXC-SVHO エンジン不動!ポンプハウジングの膨らみは?


ヤマハ艇 FXC-SVHO 2015年モデル

症状


・1か月ぶりにエンジンを掛けようと思ったら、エンジンが掛からない。

・クランキングの初動で「ガツッ」と引っ掛かるような振動がする。

 


検証: 動画で症状を確認


エンジン側の不調を考えましたが、そちらは特に異常有りませんでした。

 

ポンプ付近を点検すると、インペラハウジングの表面に一部膨らみが出来、
インペラと接触をしているのを発見!アリガチな事例です。

↓の動画で症状をご確認ください。

 

・ポンプハウジング脱着

 

・問題のインペラとの干渉箇所です。

 


結果 インペラハウジング交換


4. インペラハウジング ¥25,850

※税込/2020年現在

交換工賃については、お近くの販売店にご相談ください。

 


サビの元凶について真剣に考えてみた


ヤマハ艇のポンプハウジングはアルミ合金にステンレススリーブが挿入されています。
 

ステンレスというと「錆びない」というイメージがありますが、
実際今回のステンレススリーブは確かにサビていました。

 

それでステンレスについてちょっとおさらいしてみると・・

 

ステンレス素材の表面にはクロムが酸素と結合して出来た薄い膜(不動体被膜)が存在します。

この膜がある事で耐食性効果を得られてますが、例えばステンレス表面に小石などで小傷が付けられた場合どうでしょう?

 

薄い膜は剥離されてしまうかもしれませんが、ステンレス素材のクロムと大気中の酸素がある限りいくらでも自己修復

薄い膜を形成する事ができるようなんですね。

 

ではどうしたらステンレスはサビるのか?

それはつまり・・塩素イオン(海水)が大きく影響するようです。

 

この海水によって不動体被膜は壊れやすくなり、
被膜の形成も阻害されてしまう傾向にあるようです。

つまりジェットにおけるステンレスの錆は海水ありきで錆が発生する事がほとんどだと言えます。

 

しかし今回はステンレス表面の錆の膨張が原因で片づけていいのか?

逆にステンスリーブとハウジングのごく僅かな隙間から錆が発生して押し上げたのか?しかしそれだとうまく酸化反応しない気がする・・

 
なんつう長々と・・☝すみません。
考えてもしょうがないので膨張したステンレスをめくって見る事にしました

 

そして出てきたのは・・・やっぱりこいつでしたか

 

使い方や環境によって色んな可能性があるので断言はできませんが、ポンプハウジングのスリーブとの隙間に塩気が溜まる事はあるようです。

 

それにより、ステンが押し上げられインペラと接触する。

ステンに傷が出来、新たに不動体被膜を形成しようとするが、塩素により阻害される。

結果・・サビる!!

乗り終わりの水洗いやフラッシングはしっかり行いましょう!


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